日々修行364 新発想のセカンドステージ大学

シニア大学というのは流行りのようで、シルバー大学とか老人大学と呼ばれることがあるように、高齢者を対象とした学びの場で、学校教育法や大学設置基準に基づく大学ではありません。地方自治体や福祉法人、公益法人などが運営する地域福祉の一環の高齢者教室です。

各地にシニア大学と名乗る教室は存在していて、入学資格や年齢、学習項目などが異なっています。その目的の多くが、学ぶことによって交流を進め、生きがいづくりや健康の維持につながることが期待されています。

そのような中で、一つだけ異なる存在として注目されていたのが京都シニア大学でした。今の段階では「されていた」とか「でした」と表現するのは相応しくないかもしれませんが、昭和48年の開設から52年に渡って自主的に生涯学習の場として毎週1回、開講されていました。

ところが、運営団体の代表が亡くなり、本年(2025年)9月末で閉校することが発表されました。今後は他のシニア大学のように自治体や高齢者支援団体、大学などが運営することで再開されることが期待されています。

複数の大学ではシニア対象に、大学の講義の一部をわかりやすく講習することやゲスト講師を招いて講習を行うことは以前から実施してきましたが、定期的に通って、生涯に渡って学び続ける場とはなっていないのが実際のところです。

今回のお題の「新発想のセカンドステージ大学」は、学びの場を与えられて教養なり知識を身につけるという従来のシニア大学の発想ではなくて、実際の大学のように学んだ人が教える立場になってほしい、教えるだけでなくて教える場(セカンドステージ大学)の運営者にもなって、いつまでも続く大学であってほしいという発想をしています。

これは第一段階であって、まずはシニア世代に新たな学びの場の運営と講師になってもらい、地域の社会課題の解決にも力を注いでほしいという考え方をしています。その力を注ぐ対象としては子ども、高齢者、障害者、そして働く世代で、できれば健康に関わる内容であることを望んでいます。

シニアの定義は、WHO(世界保健機関)では65歳以上としています。我が国も65歳以上を高齢者としていますが、今の高齢者は心身ともに若返っています。日本老年学会と日本老年医学会は、65〜74歳を准高齢者、75歳以上を高齢者とすることを提言しています。

これは20年前と比較して心身ともに10年以上も若返っていることが医学的に確認されたからで、65〜74歳の准高齢者は支えられる側ではなくて、社会を支えていく立場となってほしいとの願いが込められています。

新たな学びの場の運営と講師となってもらうためには、外部の状況に左右されない学び続ける機会を確保し続けることが重要となります。

これは私たちが掲げてきた「支援する人を支援する」と合致することで、そのための「支援する人を支援する人材教育」から始めることとしています。

そのためには少なくとも運営をする費用だけは生み出す仕組みが必要で、その準備は、すでに始まっていて、スタート地点の岡山市では10月中から講習開始の予定で取り組んでいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕