日々邁進46 脳内血流の促進

認知症になってしまったら改善することは難しくても、その前段階の軽度認知障害であれば改善は可能で、軽度認知障害の状態を維持することだけでなく、それ以前の診断されない状態に戻ることができます。

認知機能試験で認知機能の低下があっても、診断基準に達していなければ、単なる物忘れの状態で止めることができます。これが軽度認知障害の段階で、“忘れたことを忘れる”という認知症とは大きな違いがあります。

高齢者になって、そこから年齢が進んでも現状維持ができるのなら、これは問題なしと考えることもできます。どのようなことをすれば軽度認知障害の維持、軽度認知障害からの改善ができるのかというと、多くの研究者が多様な研究成果を報告しています。

その中でも注目されているのは、脳の血流の促進で、食品成分としては血液サラサラ系の不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)で、この研究を入院患者(といっても内臓疾患がない整形外科の患者)に対して実施したのは、私の臨床栄養の師匠(国立病院の管理栄養士・栄養士の団体のトップ)で、青魚の摂取と血流の関係を報告しています。

EPAを医薬品レベルまで高めたのがEPA製剤で、この基礎研究を担当したのは医学系学会の理事長を務めた元大学教授にして、未病医学の重鎮の医学博士です。

私の当時の主治医であり、研究に協力してきた関係もあって、EPA製剤については研究の初期段階から近くで見てきました。

これは水産会社のマグロの油からEPAを抽出して、これを製薬会社が濃縮して医薬品にしたものですが、もともとは心臓疾患の治療薬として有効活用されてきました。

末梢血管の流れをよくする医薬品で、脂質異常症や糖尿病などの改善だけでなく、末梢血管が密集している脳の細小血管(毛細血管)の流れをよくする数少ない製剤であることが広く知られるようになっています。

このEPA製剤と同時に使用したら、さらに有効性が高まることが期待されているキノコの中医薬(漢方)製剤があります。それについては次回(日々邁進47)に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕