時間塾11 ミニマリズムは捨てて得る

時間をテーマにした文章の中でミニマリズムについて書くと、違和感を抱かれることがあります。ミニマリズム(minimalism)は、「最小限である様子」を意味する「minimal」(ミニマル)と「主義」を意味する「-ism」(イズム)が組み合わされた言葉です。

もともとは1960年代以降の芸術や音楽で「簡素な形や、その反復を用いて、最小限の要素で作品を構成する手法」を指していました。

そこから転じて、「必要最小限のモノしか持たないライフスタイル」を意味するようになりました。

そのようなライフスタイルを実践する人は、ミニマリスト(minimalist)と呼ばれています。

2024年4月1日に一般社団法人全日本ミニマリスト協会が設立されましたが、私は理事を務めています。

ミニマリズムというと、断捨離と混同されることがあります。まったく断捨離と違うということではないものの、無駄なものを捨てればよい、整理すればよいということではありません。

私が全日本ミニマリスト協会の設立を支援して、理事にも加わったのは、余計なものを買わない、持ち込まれても“断る”、最小限もモノ以外は“捨てる”、余計なモノやコトから“離れる”という考えに共感して、その普及に取りかかろうと考えたからです。

断る、捨てる、離れるの漢字を並べると断捨離になるものの、最後の何から離れるかは人によって異なります。

余計なことや集まりなどから離れることで、時間の無駄づかいがなくなります。モノはなくても(少なくても)時間はある、むしろ使える時間を増やしていって、さらに有効に使うことができるようになる、という発想を得ることができました。

ミニマリズムの実践、ミニマリストとしての生き方で得ることができたのは時間でした。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕