時間塾14 「明日できることを今日するな」

「明日できることを今日するな」というのは一見すると著名な諺(ことわざ)のようにも思えるかもしれませんが、そのような諺はありません。この言葉は、言いたいことを伝えるために、逆説的に使われています。

諺のように使われているのは「今日できることを明日に延ばすな」で、今日すべきことを明日にしようと先延ばしをしていると、翌日も同じことを繰り返したり、その日に別の用事が入るなどして、いつまで経ってもできないということを指しています。

“諺のように”と書いたのは著名人の名言だからです。

原典は「Never leave that till tomorrow which you can do today」で、アメリカ建国の父と呼ばれるベンジャミン・フランクリンの言葉です。ベンジャミン・フランクリンというと、「Time is money」のほうが有名で、「時は金なり」と訳されています。

自分の時間をお金に変えるアルバイトでもサラリーマンでもなくて、「時間はお金と同じで貴重なものだから無駄にするようなことがあってはいけない」という戒めです。

自分の時間どころか、他人の時間も大事に考えない人も少なくありません。居酒屋業界の著名な経営者が2005年に始めた介護のコンサルタントをしていた関係で、代表者から「時間泥棒」という言葉を直接聞きました。また、「時間泥棒は泥棒していることに気づかない」という心に刺さる言葉も聞きました。

「今日できることを明日に延ばすな」とは逆のことをして、大事な時間を蔑ろ(ないがしろ)にした人に気づいてもらいたいことから発することが多いのですが、時間泥棒と同じで、気づいていない人がほとんどのようです。

そのような経験から、少なくとも自分が時間泥棒にならないようにしよう、という気持ちを強くしたことから、時間塾について、このようなことを書き記しています。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕