時間塾27 削った睡眠時間の影響

時間に余裕がない人が時間を作り出すための方法のうち、安易に取り組まれがちなのは睡眠時間の短縮です。

睡眠時間を削れば、簡単に働く時間を増やすことはできます。それによって何も問題が起こらなければよいものの、寝不足は必ずといってよいほど身体に悪影響が生じることになります。

若い時には影響が小さくて、何も影響がないように思われるかもしれませんが、睡眠時間の短縮は徐々に身体を傷めていくことになります。気づいていないだけ、ということです。

睡眠不足は、日中の眠気や疲労に加えて、頭痛などの心身愁訴の増加、情動不安定、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下、学業成績の低下など、多岐にわたる影響を及ぼし、事故などの重大な結果を招く場合もあります。

睡眠不足を含め、様々な睡眠の問題が慢性化すると、肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管疾患の発症リスクの上昇や症状の悪化に関連して、死亡率の上昇にも関与することが明らかとなっています。

また、うつ病などの精神疾患においても、発症初期から睡眠の問題が出現し、再燃・再発リスクを高めることが知られているとともに、睡眠の問題自体が精神障害の発症リスクを高めるという報告もあります。

そのため、睡眠の量(睡眠時間)の確保は重要であることから、睡眠時間を削るようなことをしてはいけないと言われているわけですが、これに対して睡眠時間を削ってでも仕事をしたいと考える人は、睡眠の質(睡眠休養感)を高めればよいという反論をしがちです。

しかし、いくら質を高めても、それでカバーできる時間には限界があります。一定の睡眠時間は確保した上で、睡眠の質を高めるのと同じように、時間の質を高めることを実践することが重要になってきます。

では、どれくらいの時間を確保すればよいのかということですが、その前提となる日本人の睡眠時間の実態を次回(時間塾28)見ていくことにします。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕