時間塾32 一刻の時間感覚

「一刻も早く」と言われたら、できる限り早く、大至急で、という意味になります。これは共通した感覚かと思いますが、ただ「一刻」と書かれていたら、どれくらいの時間なのか、どれくらい余裕があるのかわかりにくくなります。

「一刻も早く」は言われる、「一刻」は書かれると、わざわざ別の表現をしたのは、前者の一刻は「いっこく」と読み方は決まっているのに対して、後者の一刻は「いっこく」の他に「いっとき」とも読むからです。

一刻(いっこく)について先に説明すると、江戸時代に使われていた用語で、これは15分くらいの長さです。「一刻も早く」の時間的余裕は15分もないことになります。

一刻(いっこく)は1日を百刻として、その100分の1なので、24時間(1440分)で計算すると14.4分となります。

テレビ時代劇や文献などで出てくる時間を表す表現は一刻(いっとき)で、現在の時間では2時間ほどとなります。半刻(はんとき)が約1時間、四半刻(しはんとき)が約30分です。

江戸時代は時計で時間を確認するようなことはないことから、「だいたいの時間だった」と説明されることもあるのですが、江戸時代は昼も夜も6等分したのが一刻です。

季節によって昼と夜の時間が違ってくるわけですが、昼は夜明けから日暮れ(日没)までで、昼の時間は夏至(2025年は6月21日)では約16時間、冬至(2025年は12月22日)では約11時間です。

ということで、一刻は夏至では約2時間40分、冬至では約1時間50分と、50分ほども長さが違っていたのです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕