時間の決定権者という前々回の話を受けて、今回は「終了時間の決定権者」という終了のタイミングを誰が決めるのかということを書いていきます。
負けない麻雀を豪語する経営者がいて、その秘訣を取材したことがあります。力がある(と評価される)経営者ほど、なぜか麻雀に強くて、ある上場企業のオーナーは「絶対に負けない麻雀」と言われていました。
その秘密を知りたい、というか、何か法則でもあるのかという疑問を抱いたからでしたが、簡単に言えば時間の決定権でした。麻雀で卓を囲むのはオーナーの部下か取引先の社員で、麻雀を除けば上下関係は明らかです。
麻雀に限らず、偶然性が関与する勝負事やゲームは、必ず(と言っていいほど)波があり、良いことばかりが続く、悪いことばかりが続くということはありません。
わずかな賭け金なりしかない人の場合には、1回もしくは数回の勝負で良いことか悪いことが決まることがあります。勝ったり負けたりが当たり前の勝負事で、最終的に勝つための方法があって、それは負けた分の金額の2倍を次にかけることです。
負けが続いても、最後に勝てばトータルして勝ちということになります。これができるのは、勝つまでかけられる金がある人に限られたことで、大企業の経営者がギャンブル依存依存となった話を聞くと、これを原因の一つとしてあげたくなります。
引き際さえ見誤らなければ、資金がある人は勝ち続けるという困った状況ですが、株取引の仕組みは、これと同じようなところがあるので、格式会社である限りはギャンブル依存の危機があるということにもなります。
その依存の心配がないのが絶対に負けない麻雀で、運が向いてくるまでは続ける、運が向いてきたら一方的に打ち切って終了にするという経営者のルールです。
このことは、大手企業の取引でも見られることで、止めるタイミングが相手側にあるときには、優位な取引ができないということで、アメリカの相互関税の取り引き(駆け引き)を思い浮かべる人も多いかと思います。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕