人間関係はコミュニケーションの取り方が難しいと言われていて、その中でも間違ってはいけないのは距離感です。距離感を誤ると、良好な関係だったことが刺激し合う不快な関係にもなりかねません。
よかれと思ってやっていることが相手にとっては実は迷惑なことで、好意を続けてよいのか、それとも少し離すようにしたほうがよいのかは、それぞれの人の感じ方によっても違ってきます。
よいことをしているはずであったのに、それが相手にとって迷惑な行為になることも多くて、その失敗例の多くは“自分流”を誰にも同じようにしてしまうことから生まれています。
近づきすぎると傷つけ合うことになり、距離を置きすぎると疎遠になるという難しい距離感を表す言葉として「ハリネズミのジレンマ」があげられています。
ハリネズミは、寒い日に互いに寄り添って暖を取ろう(温め合おう)とすると、針毛に刺されることになり、刺されないように距離を置くと寒さで冷えてしまうという微妙な関係を抱えて集団生活をしています。
これを人間関係に置き換えたのがハリネズミのジレンマということですが、少し痛みがあるくらいなら近づくのは大丈夫であっても、どこまで耐えられるのかで、それぞれの距離感が変わってきます。
元々は、心理学者のジークムント・フロイトが「ヤマアラシのジレンマ」として発表したもので、いつの間にかハリネズミと言い換えられるようになりました。
互いに相手との距離感を計りながら、どの距離感が安全で快適なのか、相手は同じでも、そのときどきの条件や状況によって変えていくようにするのが“人間関係のジレンマ”を克服する大切なポイントということになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕