出店する場所は、商売の命運を決めるとさえ言われてきたことから、場所探しには全勢力を注ぐというのは、ずっと最優先事項と言われてきたことです。地域と人の流れのマーケティングに時間と資金をかけ、それが継続するのかの調査も重視されています。
新たな施設ができたり、逆に施設がなくなったり、交通の便などが変わったときのことも考慮して、売り上げと必要経費を計算して、出店の判断が下されます。そこができていないと、一気に出店した結果が大量閉店につながるということにもなりかねません。
高級食パンも唐揚げも、閉店が相次いだのは、調子に乗って出店したからということよりも、出店場所を間違っていたからだと指摘されています。その両方があってのことだとは思うのですが、そういった失敗がない業界もあります。
それは、あえて他の賑わっている店の近くに出店するという選択をする会社で、よく例としてあげられるのは持ち帰り弁当店(いわゆる「ほか弁」)で、最も出店に向いているのはコンビニの近くです。
コンビニほどエリアのマーケティングに力をかけている業界はなくて、練りに練って出店を決めたところなら必ず儲かるということを明言している経営者もいます。
その明言が“迷言”になってしまった例もあります。
これまでの成功体験の自業(じごう)が楽になって、ずっと続いてくれればよいところですが、自業が苦(く)になってしまったことで、自業苦(じごく)になったという話です。
それは明言の元になったコンビニの出店が、単なる利益率で決められてはいなかったことを知らなかったという事実です。
コンビニは、配送ルートの効率性や収益の割合も出店エリアに影響を与えています。店舗販売だけでなく、他の収益とのバランスで決めていることもあります。これは大規模の事業者だから可能なことであって、小さな規模のところが同じことをしたら、その店舗だけでなく、全体に悪影響を与えることにもなっているということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕