ひらがなで「きょうそう」と書いたのは、漢字に変換したときに初めのほうに表示されるのは競争、共創、協奏で、続いて狂騒、凶相、強壮といった用語が表示されることを示したかったからです。
これからの時代に必要とされる組織化や働き方を示そうと「共創」を使い、異なる立場や業種の人・団体が協力して新たな商品やサービスなどを創り出すことを書きたかったのに、誰かが間違って「競争」と変換したら話が通じなくなってしまいます。
苦と楽の話でいうと、競争は苦を生み出す行為で、共創は楽につながる行為という使い分けをしています。これが「自業苦」(じごく)と「業苦楽」(ごくらく)へと別れていくという説明をしています。
競争を避けようというのではなくて、自らの選択による競争によって苦しみを感じた結果の「自業苦」があればこそ、その先の「業苦楽」が生じるものであり、「業苦楽」を強く感じることができるという発想です。
だから、競争の苦は、あえて経験できるところに飛び込んで、その苦しさの原因や本質を把握してからでないと、その後の共創の楽の本質もつかめないという、どこか哲学的な考えにもつながります。
競争社会を批判して、そこに身を置かないようにすることは身を守るためには役立つことであっても、想像以上の競争が生じるような状況になったら手に負えなくなります。その段階になると、先に楽が望める「自業苦」ではなくて、本当の地獄にもなりかねません。
ある程度の競争は、病気と戦う免疫力を強化するのと同じような感覚で、それを経験していないと「他の人は平気でも自分だけは危険」という状況にもなりかねません。そういった意味合いも含めて、極楽状態を「業苦楽」という3文字を使って表現しているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕