企業にも性格のようなものが存在していて、それは大きく“社風”と表されています。社風は企業の独自の雰囲気や文化、価値観などを指していて、組織の歴史や社員の性格、仕事の進め方など、さまざまな要素が複合して形成されます。
その会社ならではの個性と言ってもよいもので、一朝一夕に作られるものではなくて、また簡単に変えることができないもの、ということです。
社風の違いについては、これを研究する大学教授の書籍作成に参加したことがあり、社風の良いところは気づくことはできても、悪いところは気づきにくいということを強調した内容に仕上げました。
社風の違いに最も気づきやすいのは企業合併で、それまで普通のこととしてやってきたことが他の会社の人には受け入れ難いことであったり、なぜ受け入れられないのか理解できないということが起こります。
その違和感を放置しておいたり、根本的な違いの調整を行わないと、いつか大きなズレとなって、悪くすると崩壊しかねないということも過去にはありました。
崩壊しなくても、理解できないまま継続している“儀式”がモチベーションを低下させ、業績に影響することも実際に見られたことです。
合併での社風の違和感の例として、よくあげられるのは就業前のラジオ体操で、複数の銀行が合併して新たな銀行になったとき、主流の銀行の儀式であるラジオ体操をしてから仕事に取りかかるのが、どうしても受け入れられないということで、非主流が社内にあっても別行動をする部署に移ったということがあります。
また、朝礼で標語を大声で唱える、宮城拝礼をするということがギクシャクの始まりになったということも起こっています。宮城拝礼は皇居に向かって、全員が礼をするということで、歴史がある(古い)企業では、各業種で今も続けられています。
こういった過去の自業が苦になり、なかなか業苦楽へと移行できないということも、根本原因として社風の違いがあげられることがあるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕