業苦楽39 インプットとアウトプットのバランス

インプットがあって初めてアウトプットをすることができるというのは一般的な感覚です。中には、新たなインプットなしに過去の経験や周囲の人の実績を、そのまま使ってアウトプットを繰り返しているだけ、という人がいないわけではありません。

では、インプット(知識や情報を得るための入力)をすることが大事で、それを続けることによってアウトプット(入力した知識や情報を発信・表現する出力)が高まっていくのかというと、そうとも限りません。

しかし、インプットがあってこそのアウトプットと信じて、入るだけの知識や情報を詰め込んでいくことがあり、なかなかアウトプットをしない、インプットの量に対応するアウトプットになっていないということも起こりかねません。

インプットが足りないのにアウトプットに力を入れていると、アウトプットの量が足りない、量は足りていても質が伴わないということにもなります。質が伴っていないのに、それに気づかずに続けるアウトプットは“垂れ流し”とも言われてしまいます。

情報発信を自業としている身にとっては、新たな情報の入力は重要ではあるものの、数ある情報の中から正しい情報、重要な情報を見抜いて、それを分析して、情報を求める人に対して自信を持って(責任を持って)届けられるようにしなければ、その情報は無駄との批判を受けかねません。

インプットとアウトプットのバランスは重要ですが、量を入れれば、それで質が高まるわけではありません。そのような感覚から抜け出していかないと自らが続けてきたことの自業苦(じごく)は続き、業苦楽(ごくらく)へと切り替えていくことができないとの深みにはまってしまうことになるとの感覚があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕