正念14「一日一止」

正念は、正しい念(正+念)を意味するだけでなく、正しい今の心(正+今+心)を示す言葉としても認識されています。正は、どんな組み合わせかというと一と止の上下の組み合わせというのが一般の認識です。

一と止という文字が使われた言葉としては、今回のお題の「一日一止」が一番にあげられます。「一日一止」(いちにちいっし)は、一日に一回は止まることを指していて、仏教用語(特に使われるのは禅宗)の一つとして使われています。

「歩き続けるだけでなく、一日のうちに一回は止まる」という意味合いであるとして、休む時間も大切という働き方改革を示すために使われることがあります。「一日一止」と書かれたものを目にするたびに、これでよいのか、と感じていました。

ただブレイクタイム(休憩時間)を作ればよいということではなくて、立ち止まったときに何をするかが大切になります。

何をするかと聞かれれば、仕事の手を休める、席から離れる、目を休めるということから始まって、一服入れる、深呼吸をする、瞑想をして集中力を高める、ということが普通かと思われます。

一服というのは、本来は薬を服用することを指していましたが、服には飲むという意味もあり、そこから茶やタバコで一休みをするという使い方をされるようになりました。

今では、ブレイクタイムにはスマホを取り出して、ゲームをする、SNSを始めるという姿を見るのも珍しくはなくなりましたが、いかに本人がON(仕事)とOFF(仕事以外のこと)の切り替えができるかが重要だということになります。

「一日一止」は止まって何をするかということですが、自分の歩みを振り返る、歩き方を見つめ直すというのが本来の考え方です。本来の「一止」は一旦止まって見つめ直し、新たに進むことを意味しています。

このタイミングで「一日一止」について書いているのは、一回止まってみる期間として、正月(前後の正月休み)が絶好だとの感覚があるからです。

元旦の「旦」は夜明けを意味する文字で、太陽が地平線や水平線から見える日の出を表す象形文字から始まっています。ということで、元日の朝を意味するので、使ってよいのは一月一日の午前中の早い時間となります。

一旦立ち止まってみて、その後に進むべきは正しい道ということで、「一止」は正しい、その今の心を表すのが「念」ということで、正念の意味合いを寄り道しながら、新年の時期のネタとして書いてみました。
〔小林正人〕