“宇宙船地球号”という言葉があります。地球を閉じられた空間の宇宙船にたとえたもので、地球上の資源の有限性や資源の適切な使用について語るときに使われることが多くなっています。
限りがある自然環境と人間の調和を唱える概念とされていますが、さまざまな世界で使われるようになり、今では経済学にも、この概念が導入されています。
限られた空間の宇宙船の中では、人種や国籍が異なっても同じ乗組員として争うことなく、同じ目的に向かってミッションを進めていくことから、“宇宙船地球号”は国家間の争いを避けるための安全保障を案がえる場面でも使われています。
宇宙から見た地球の色は「青」で表現されています。「地球=青」のイメージは、「地球は青かった」という有名な宇宙船から見た宇宙飛行士が発した言葉によって強く印象づけされました。
この言葉は1961年に初の宇宙飛行を終えて帰還した旧ソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンが大気圏外から初めて見た感動の言葉として伝えられています。実際には「空は非常に暗くて、地球は青みがかっている」でしたが、日本語に直訳されたのが「地球は青かった」でした。
限られた空間である地球の姿を映像として目にしたときの反応は、大きく二つに分かれます。一つは限られた地球を大切に扱い、素晴らしい環境を後世まで残しておきたいという感情を抱いた反応です。
もう一つは、限られた地球の資源を効果的に使って便利な世界を作りたいという感情です。便利な世界というのは、同じ“宇宙船地球号”の乗組員である世界中の人々にとってのことであってほしいところですが、所属する国や地域にとって、場合によっては自分にとって便利な世界を求める意味で使われることが多いようです。
〔小林正人〕






