水活の思考9 島国で生きていく覚悟2

食料自給率には食べられずに廃棄された食料も分母(供給熱量)に含まれるため、食品廃棄量が多い日本では必然的に食料自給率が低くなります。

日本国内の食品廃棄量は、年間623万トンと伝えられています。これは食べられるのに廃棄される食品の量で、食品ロスと呼ばれます。

しかし、実際に廃棄されている食品は年間2000万トンに達しています。栽培や流通、調理段階で廃棄されるものも含めた量で、売りやすいもの、食べやすいものを追求したために発生しているものです。

その量は、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食品支援量の4倍以上にもなっています。

もう一つの食料自給率の指標である生産額ベースでの食料自給率を見ると、日本は63%になっています。生産額ベースは食品の重量を、生産額を基準にして割り出したもので、「国内の食料生産額÷国内の消費仕向料×100」という計算式が使われます。

消費仕向料は、国内市場に出回った食料の量を指しています。大規模な農業国と比べると高いとは言えないものの、イギリスの58%よりは高い数字となっています。

食料自給率を高めることは、輸入食料が多く、海外の生産量や輸出国の社会情勢、為替相場の変動(円安)の影響を受けやすい我が国の特徴からしても、食料安全保障のために重要なこととなっています。 

そのため、国内生産に力を注ぐことは重要なことではあっても、それと同時に各段階で廃棄される食品を減らし、飼料と肥料として有効利用することも真剣に考えるべきであることに気づくことが重要になってきます。
〔小林正人〕