痛風の基礎知識6 高尿酸血症の原因

尿酸値は、血液1dl(デシリットル)の中に、どれくらいの尿酸が含まれているかを示したものです。尿酸が血液中に溶ける量には限界があり、尿酸値が7.0mg/dlを超えると、溶けきれなくなった尿酸が結晶化し始め、関節などに沈着します。

尿酸値の正常値は成人男性が4.0~6.5mg/dl、成人女性が3.0~5.0mg/dlで、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。8.5mg/dlを常に超える状態になると、いつ痛風発作が起きるかわからない状態ですが、発作が起こるまでは8年以上は経過しているといわれます。

食事の見直しやアルコール制限などをしても尿酸値が下がらない人には、生活指導を続けた上で薬物治療も行われます。

尿酸は、通常の状態であれば体内で作られる量と、排泄される量とのバランスが保たれて、尿酸値も一定に保たれています。

しかし、作られる量が増えすぎた場合や、排泄される量が減った場合には、体内の尿酸が一定量を超えてしまいます。そして、過剰になった尿酸が血液中に溢れ出て、尿酸値が上がっていきます。

遺伝によって尿酸が過剰に作られたり、排泄低下が起こる例も一部にはあるものの、ほとんどの場合は尿酸の産生を増加させるような過食、多量の飲酒、尿酸の原料となるプリン体が多く含まれる食品の摂取、激しい運動や脱水などが原因となっています。

痛風が発症したときには、まずは痛みを止めるための薬によって治療が行われます。薬を飲むことで痛みはなくなるものの、薬さえ飲めば解決するというものではありません。薬は、あくまで痛みを止める緊急処置であり、高尿酸血症そのものを治療するものではないからです。

治療の根本は生活習慣の改善であり、適切な食生活、適度な運動によって尿酸値をコントロールしていくことが最も重要となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕