痛風の基礎知識7 尿酸値改善の食事のポイント

尿酸値が高いと指摘された人は尿酸値を下げるために、食事の改善が求められます。

痛風の治療では薬剤による治療も行われますが、食事が改善されなければ薬剤も効果を上げることはできないため、痛風の予防・治療は食事の改善が基本となります。

高尿酸状態を予防・改善するための食事のポイントを紹介します。

1)適正なエネルギーの確保
食べすぎは余分な尿酸を作り出す結果につながるため、適正なエネルギー量の確保を心がけます。1日の摂取エネルギー量は標準体重あたり25~30kcalとします。60kgの人なら1800kcalまでの量となります。

2)プリン体の多い食品の制限
プリン体は尿酸の原料となるので、できるだけ減らすようにします。痛風が発症した場合には、プリン体の摂取は厳しく制限されます。

プリン体が多く含まれる食品としては、あんこうきも、干物、白子、豚レバー、かつお、まぐろ、えび、たらこ、あさり、牛肉ヒレ、豚肉ロース、ボンレスハムなどがあげられます。たんぱく質が多い食品にプリン体が多く含まれる傾向があるものの、牛乳、鶏卵、豆腐では少ないので、たんぱく質を摂るときには、これらの食品を使うようにします。

3)アルコールの制限
尿酸値を下げるためには水分は摂ることは大切ですが、水分といってもビールは禁止されます。アルコールは尿酸の排泄を抑制するため、尿酸値を上昇させることになります。ビールにはプリン体が多いため、特に注意が必要です。痛風は飲酒時に発症しやすいだけに、尿酸値が高い人にはビールだけでなく、すべてのアルコールの禁酒が求められます。

4)アルカリ食品の摂取
尿がアルカリ化することで尿酸値は下がりやすくなります。血液中のpHは食品の影響を受けないため、アルカリ性食品を食べたからといって体がアルカリ化して酸化を防げるわけではありません。しかし、尿のpHは食品によってかなり変化します。

酸性化させる食品は卵、豚肉、牛肉、貝、魚などで、摂りすぎは尿のアルカリ化を妨げ、尿酸が結晶化しやすくなります。逆に尿をアルカリ化させる食品としては、海藻、野菜、豆、果物があげられます。

5)ミネラルの摂取
尿酸はカルシウムと結びつくと尿酸カルシウムに、カリウムと結びつくと尿酸カリウムとなって排泄されます。化合物となって排泄を進めるカルシウムが含まれた小魚、海藻、大豆製品などやカリウムが含まれた野菜類を多く摂るようにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕