発達の伴歩16 発達障害児の理解

発達障害は自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3タイプに大きく分けられています。

学習や生活の面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒数について、文部科学省が2022年に実施した『通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』の結果を、先に紹介しました。

その結果では、約8.8%程度の割合で通常の学級に在籍している可能性を示しています。この約8.8%の発達障害児以外に「何らかの困難を有していると教員が捉えている児童生徒がいる」と注意を促しています。

さらに調査によると、発達障害の可能性がある児童生徒のうち、校内委員会で特別な教育的支援が必要だと判断されたのは18.4%と5人に1人にも満たない状態です。しかも、発達障害の可能性のある児童生徒のうち、38.6%が「いずれの支援も受けていない」という結果となっています。

早期発見が充分でないこともあり、実際に発達障害児は10%に達していると推定されています。海外の複数の調査では発達障害児の割合は14〜19%にもなっています。

発達障害は脳機能の発達の偏りやズレが要因となって、社会生活に困難が生じる状況となっています。病名にも法律(発達障害者支援法)にも「発達障害」が使われていることから一般の障害者であるような扱いをされがちです。

しかし、発達障害は成人になれば治るというものではなく、社会での関わりが強まる中で対応力がつくために現れにくくなっているだけであり、発達障害の特性は生涯にわたって続いていきます。

早期発見ができなかったために、大人になってから発達障害の特性が現れる例も少なくありません。その基本的なところの理解がされていないことが、発達障害児(18歳未満)、発達障害者(18歳以上)の困難さを強めることにもなっているのです。
〔発達の伴歩:小林正人〕