発達の伴歩24 発達のための栄養摂取

発達栄養は子どもが発達するために必要な栄養を指すことが多く、この場合であれば通常に発達するために必要とされる栄養素が摂れていればよいと考えられます。

ところが、栄養摂取の対象が発達障害の特性がある子どもの場合には、必要とされる栄養素が不足していなければ、それでよいという単純な対策では済まないところがあります。

充分な栄養が摂取できる内容で食事を用意しても、特性のために食べられないものがある、食べられるものであっても量が限られているということは、発達障害児では普通に起こります。

そして、充分な状態であっても発達障害の特性である自律神経の調整の乱れがあって、食べたものが想定通りに吸収されない、それとは逆に余分に消費されてしまうということが起こります。

栄養素の吸収は小腸で主に行われますが、吸収を促進するのは自律神経の副交感神経の役割です。また、効率的な吸収のためには胃での消化が充分に行われていることが必要で、その消化を促進するのも副交感神経の役割です。

ところが、発達障害では副交感神経の働きが低い特性があり、そのために交感神経の働きが高まりやすくなっています。交感神経は消化と吸収を抑制する作用があります。

つまり、発達障害では消化も吸収もよくない状態であることから、栄養摂取の能力が低くなるということを知っておいてほしいのです。

その実態を伝え、個々の状態に合わせた“充分な摂取”ができるようにしなければなりません。そのためには「支援する人を支援する」という考え方が必要で、保護者(中でも家族の食事の調理をする人)への支援が重要になってきます。
〔発達の伴歩:小林正人〕