発達障害は自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害では、行動的な特徴が異なることから、神経伝達が異なるように思われがちですが、自律神経の調整に着目すると共通しています。
自律神経は興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経があり、一方が盛んに働くと、もう一方が抑えられるという拮抗した関係となっています。
自律神経の働きはホルモンや神経伝達物質によって影響が与えられていて、中でもセロトニン不足が大きく影響を与えています。
セロトニンは脳内の神経伝達物質の一種で、興奮作用がある情報伝達物質のノルアドレナリンやドーパミンの分泌を抑える作用があります。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから生合成されています。脳の重要部分である視床下部や大脳基底核、延髄などに高濃度に分布されていて、脳の認知機能や精神安定、平常心、安心感などに大きく作用しています。
脳の発達を促すためにはセロトニンが多く必要となりますが、発達障害では脳内のセロトニンが不足していることが指摘されています。自閉症スペクトラル障害でも注意欠陥・多動性障害でもセロトニンの減少が確認されています。
自閉症スペクトラル障害ではセロトニンが減少していることから興奮作用があるノルアドレナリンとドーパミンの働きを抑えにくくなっているのに対して、注意欠陥・多動性障害ではセロトニンの減少だけでなくて、ノルアドレナリンとドーパミンの分泌が増えています。
注意欠陥・多動性障害では動きたくなる感情が抑えられずに、興奮状態になりやすいことから不注意さや衝動性、多動性が多くみられますが、自律神経の交感神経の情報伝達物質であるノルアドレナリン、中枢神経の神経伝達物質のドーパミンが多くなることが関係しています。ドーパミンはノルアドレナリンの前駆物質ともなっています。
アドレナリンとノルアドレナリンは混同されがちですが、複数ある交感神経の受容体への作用が違っているだけで、ともに興奮作用が認められています。
〔発達の伴歩:小林正人〕






