発達の伴歩4 発達の障害の認識1

発達という言葉は、以前であれば「身体や精神が成長すること」を指していて、「より複雑で高度な機能を持つようになる過程」を意味するために使われていました。

そこから歩く、話すといった運動、言語、認知などの成長に加えて、「脳の特性によるコミュニケーションや対人関係の困難さ」も含まれるようになりました。

その発達に大きな影響を与えているのは脳の機能です。その脳機能の発達の偏りによって、学習や社会生活、コミュニケーションに困難さが生じることが医学的に明らかにされていきました。

これがアメリカを中心にして発達障害(Developmental Disabilities)として認識され、法律用語(1960年代前半)から医学用語(1960年代後半)としても使われるようになりました。

発達障害が日本でも知られるようになったのは1970年のことです。

そのときには医学分野の新たな研究テーマという感覚もあって、どれくらいの“患者”がいるのかを調べるというところから始まりました。

それが今では子どもの10人に1人が該当する時代となり、その特性は生涯にわたって継続することがわかってきました。

通常の医学の考え方(早期発見、早期治療)では対応できないことから、多くの分野の専門家の知識と経験の結集、各方面からの対応策の検討と実施が不可欠であると認識されるようになりました。
〔発達の伴歩:小林正人〕