学習障害の困難さは、読む・書く・計算するといった代表的なことだけではありません。視覚情報処理が正常に行われないために、文字が書かれたままの状態で見えずに、文字がゆがむ、にじむといったように変形して見えることがあります。
眼球から入ってきた視覚情報は視神経を通り、脳に送られる途中の視床になる外側膝状体で中継されています。
その中継点には神経細胞のシナプスがあり、神経伝達物質のグルタミン酸の放出があるとシナプスの反応が低下することが確認されています。この仕組みによって、視覚情報の一部が強調され、他の情報が取り除かれることとなり、はっきりと見ることができるようになります。
ところが、この仕組みに異常があると文字がよく見えなくなるだけでなく、元の文字が見えにくくなることがあり、さらに変形して見えるようにもなっていくようになります。
このような文字の変形は本人以外にはわからないことで、視覚情報処理が正常に行われていないことによる文字の変形があることを理解していないために、そのような訴えがあったときに見逃したり、中には嘘つき呼ばわりするという、あってはならないことが実際に起こっています。
そのようなことにならないように、視覚情報処理の仕組みを知って、視覚の困難さがあることを理解することが大切になってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕