発達障害では、文字が二重に見える、文字が重なって見える、文字が動いて見える、大きさが変化する、点描画に見えるといったように、視覚情報処理の異常によって文字を読み取ることが困難な状態も起こっています。
このような困難があると、文字が見えにくいだけでなく、文字と図の区別、画数の多い漢字の識別が難しくなり、文字とルビが重なって見えるといったことも起こります。
文字の間隔が広ければ見やすくなることもあり、その場合には通常の教科書では学べないことにもなるため、サブテキストやコピーを活用することが必要となります。
発達障害の視覚過敏には白色が眩しく見えることがあり、机に置いてある紙が後方からライトを当てられたように見えることがあります。そのために紙に書いてある文字が見えにくく、文字の形を正確に認識することも難しくなっています。
また、そのような中で文字を見ることは強いストレスがかかることであり、目の疲労だけでなく、精神的にも非常に疲れやすく、そのことが学習への意欲を失わせることにもなっています。
紙の色だけが問題ある場合には、紙の色を白から他の色に変えることによって見やすくなることがあります。白い紙と黒い文字の組み合わせはコントラストが強くなり、一般には見えやすい色の組み合わせは刺激が強くなって見えにくくなります。コントラストを弱めることによって見えやすくなる例も多くなっています。
眩しく感じて見えにくい場合には、多くの文字があることで困難さが増すことから、重要な部分にだけ蛍光のカラーペン(マーカー)で色をつける方法が使われます。これによって情報量が調整されることで、抵抗感を弱めることができます。
情報量を減らすためには、読む範囲以外を隠す、長い文章はスラッシュで区切って一度に読む範囲を占めるという方法も使われます。
それと同時に、文字が大きく、見やすい字体(フォント)にすることも必要になります。字体への反応は個人によって異なるため、それぞれの子どもにとって見やすい文字を把握することが重要となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






