発達特性36 味覚機能の理解

味覚は舌の味蕾の味細胞が捉えた情報が、舌咽神経を経由して顔面神経、迷走神経に伝わり、視床味覚野に伝えられます。

ここから大脳の第一次視覚野、第二次視覚野に伝えられていますが、第一次視覚野は味の質や強さを認識する機能があり、第二次視覚野は味の嗜好性を認識する機能があります。

第一次視覚野までは味覚の情報が伝えられていて、第二次視覚野では視覚と嗅覚の情報が加わり、それらの情報を組み合わせて感情とともに味を感じ取っています。

この一連の情報伝達に異常があると、味覚の反応にも異常が現れるようになります。

発達障害の味覚過敏は情報の刺激が強く伝わりやすく、そのために食べられないという味が生じて、極端な偏食が起こりやすくなります。

これとは逆に、発達障害には感覚鈍麻があり、味覚の情報が正確に伝わらず、味の識別などが起こりにくく、刺激のある味付けを好む傾向があります。

これまで味覚過敏は味覚機能だけの問題と考えられてきたところがあるのですが、嗅覚機能の影響を受けることが第二次視覚野の研究によって明らかとなりました。そして、嗅覚過敏が味覚過敏を強めて、これが極端な偏食につながっていることが明らかにされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕