日本人の特徴的な食べ方については、さまざまな評価があるのですが、その一つに麺類をすすって食べる方法があります。落語では、そばとうどんの違いを音で表現していますが、それはすするときの違いです。日本式のラーメンは今では海外にも進出していることもあり、海外からの旅行客、ビジネス客もラーメン屋で見かけるのは当たり前の風景となりました。それを見ていて、上手にすすっている人がいると親近感を抱きます。
日本人なら誰でも上手にすすって食べることができるように思われがちですが、発育途中の子どもだけでなく、発達障害がある子どもにも上手にすすれない、ラーメン、そば、うどんをパスタを食べるように少しずつ口に入れて食べるということが見られます。食べるのは食育の基本で、しっかりと食べて発達のための栄養を取り込む、それも日本人の特徴的な食べ方をするというのは発達支援にも重要なことになります。
すすって食べるためには、麺と汁と空気を同時に吸い込む必要があり、口の機能、肺の機能だけを使って吸い込んでいるわけではありません。腹式呼吸をすることが重要で、横隔膜を動かして息を吸い込む方法を身につける必要があります。横隔膜を動かして息を吸い込むといっても、幼い子どもでは習得は難しいことです。
呼吸法の講習では、寝そべって軽く膝を立てて、鼻から息を吸い込んで腹部を膨らませるようにします。腹部に手を当てると膨らみを確認しやすくなります。腹部に手を当てたまま腹部をへこませて口から息を吐いていきます。腹式呼吸といっても空気は腹部に入るわけではなくて、肺に入るわけですが、そのポンプ役をしているのが腹部の横隔膜だということを意識するようにします。
寝そべっての呼吸は胸部を動かしての呼吸がしにくくなるので、横隔膜を動かす腹式呼吸がしやすくなります。寝そべってできるようになったら立った姿勢で同じことをしていくのですが、このトレーニングをしながら、すする食べ方をしてみて、その効果を確認するという方法が取られます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)






