発達栄養学では、現状の食事の状況を把握するために食事内容のチェックが行われます。食事内容を把握する方法というと、一般には食事で出される食材の種類と量を調べて、その中に含まれている栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)の量が調べられます。そして、それぞれの年齢や性別、活動や体調などに合わせて不足する栄養素を割り出して、それを補うために必要な栄養素を知り、メニューの提案をするというのが一般的です。
この方法は栄養調査の定番で、厚生労働省による国民健康・栄養調査でも同じ手法が使われています。1週間分のメニューを出してもらい、その期間に食べたものの栄養素を計算していきます。急に訪れて、1週間分のメニューと分量を聞き出すわけではなくて、協力者には事前に知らせがあるので、準備期間があり、あまり栄養不足というメニューは出しにくいという心理状態もあって、どうしても普段の食事よりも豪華とまではいかないものの、手抜きの跡がみられないものになりがちです。
それだから栄養が不足しているという結果にならないのかというと、それでも各栄養素の推奨量との比較をしてみると不足が指摘される状況です。全年齢層で特に不足しているのはカルシウムです。
このように調査に参加する家庭の状況を考えて、できるだけ正しい把握をするために、栄養調査票を見直して、私たちは食生活調査票を使用して調査を行っています。これは主食は1日に食べたものの1週間の平均の回数を聞き、それ以外の主菜、副菜などは1週間に何回食べたかを聞いています。調査はチェックが中心で、食品の種類を一部は記載してもらうようにしています。
これを見るだけで、何が不足しているのか、何をプラスで食べればよいのかが簡単に指導できるだけではなくて、自分でチェックしているうちに、これは食べるべきだ、減らすべきだということを気づくことができるように作ってあります。
日本臨床栄養学会の理事長であった板倉弘重先生に監修をしていただきましたが、子どもから高齢者にいたるまで食事の内容の実態把握と具体的な改善点がわかりやすい調査票として実に重宝しています。この食生活調査票は、日本メディカルダイエット支援機構のメディカルダイエットとサプリメントの講習でも使い方と評価法を伝えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)






