発達障害サポーター48 食の安全教育の必要性

フードバンクというと食品ロスと貧困対策が中心となっていて、栄養不足を解消するための食品を提供することが重視されています。少なくとも成長に必要な食事が摂れないという状況を解消しようという重要な活動です。
エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が不足することがないように量の問題に取り組むうえに、質の問題としてビタミン、ミネラルも摂取できるようにするために、提供する食品の内容を考え、調理法も伝える活動も始まっています。これによって、調理法がわからないために食品をもらわない、もらったのに調理しないということはなくす方向にしていくことができます。
食品は栄養と同時に、安全性の問題もあり、できることなら安全で、安心して食べられる食品を提供したいところで、そのような食品を提供してもらいたいところです。しかし、商品の安全性がわかっていると、食品を受け取るのにも、提供するのにも躊躇するところがあります。躊躇しても、危険性があるものでなければ、受け取る方の判断に任せて提供するということも通常では行われています。
受け取ったのに、家庭で捨てられるということがないのが理想で、そのようなことがないことを願っての配布ですが、実際には家庭で食品ロスが行われている例がないわけではありません。消費者が安心して使うことができる食品を提供してもらえるように、安心して使えるように配布できるように、そして過敏に拒否することがないように、食の安全の情報を提供することは、フードバンクの活動と並行して進めてほしいことです。
発達障害児だけに安全な食品を提供するということを主張しているわけではなりませんが、特に注意しなければならない子どもたちに安心できる食品を提供できる体制づくりも重要と考えます。発達障害児の保護者は生活が苦しい状況もあり、フードバンクに期待しているところも多いことから、発達障害と栄養の関係についての研究分野である発達栄養学の重要性も訴えたいところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)