発達障害児の支援を行っていると、いかに発達障害がある子どもたちが疎外感を持って生きているのかがわかるだけでなく、その疎外感を家族にも感じていることがわかります。周囲の阻害から守ってあげる立場の保護者が、疎外感を感じさせることをしてはいけないとは思うものの、親が発達障害ではなかったとしても疎外感があり、それが子どもにも伝搬している例もあります。
子どもは親から離れることがなく、ずっと一緒に過ごしていても、受け入れられないことがあると疎外感を感じることがあり、今のようにデジタル一辺倒の社会では、例えば話しかけようとしてもスマホに集中している親に声がかけにくい場面も多々あります。
そのような子どもの気持ちを理解することを発達障害児についての講習で話をするときに、自分のことを思い出して、疎外感をなくすこと、そのような状況を乗り越えることの大切さを身に染みて感じながら伝えることもあります。それは自分の体験から発しています。
父は警察官で、新潟県の山奥の駐在だったので仕事が忙しく、母は父が不在のときには駐在所を守り、それで家事も子育てもしなければならなかったこともあって、弟が生まれたあとに母親の実家に預けられました。母の実家は漁師町にある寺で、小学校にあがる前の2年間を親元を離れて、祖母と叔母と過ごしました。
父は転勤続きだったので、地元の子どもと仲間意識を持って遊ぶということはなかったのですが、4歳のときに他所者(よそもの)扱いされました。といっても、地方の寺は檀家組織もしっかりしていて、周囲からは「ぼっちゃん」と呼ばれるような立場だったので、今でいうイジメはなかったのですが、仲のいい友達ができた覚えはありません。
ただ、寺には甘いものがたくさんあり、檀家の子どもたちは甘いものを求めていたので、遊びに来る子どもたちは多く、独り遊びをするということはありませんでした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)






