糖尿病の倫理22 血糖値と尿糖の結果の違い

糖尿病は血液検査をすることで判定できるといっても、血液検査は針を使って痛みがあることから、できれば避けたいと考える人がいることは事実です。そういった方が選択したがるのは尿糖による検査です。

糖尿病は膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの不足や、インスリンが分泌されているにも関わらずインスリンの作用が低下しているために血糖値が上昇して起こる病気です。後者の状態はインスリン抵抗性と呼ばれています。

インスリンには、血液中のブドウ糖を筋肉細胞など全身の細胞に取り込んで、エネルギー源として利用する働きがあります。

ところが、インスリンの分泌量の不足や細胞がブドウ糖を取り込む力が弱くなると、細胞内に充分にブドウ糖が取り込まれなくなり、ブドウ糖が細胞の外側に多い状態となります。

そして、細胞外のブドウ糖は血液中に戻り、一定濃度以上になると尿に多く混じって流れ出るようになります。
その状態から糖尿病という名がつけられました。

「尿の中にブドウ糖が多くなるのは、不必要になったブドウ糖が尿として捨てられているので問題がない」と考える人も少なからずいます。

しかし、大切なエネルギー源であるブドウ糖が細胞の中で充分に使われていない状態になっていることから、細胞が栄養不足になっている状態ということができます。そのためにエネルギー不足となり、活動や健康面でも影響が出るようになります。

糖尿病の指標になる血糖値は、血液中にどれくらいのブドウ糖があるかを示す数値です。血糖は、血液中のブドウ糖のことです。

糖尿病を判断するために、検査紙に尿をかけて色の変化から尿糖の度合いを調べる検査法が尿糖検査です。これによって調べた尿糖が糖尿病の発見のきっかけとなることも多いのですが、診断は通常は血糖値によって行われます。

尿糖検査紙によってわかるのは血糖値が160mg/dl以上となったときです。これを下回っている場合には、高血糖状態になっていても、ブドウ糖が尿中に多く混じることはなくて、判定ができないからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕