厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、糖尿病と特に関連の深いエネルギーについて、「総エネルギー摂取量」を取り上げています。
肥満を伴う2型糖尿病において、良好な血糖値の維持には、総エネルギー摂取量の適正化に基づく体重コントロールが重要です。
総エネルギー摂取量の目安は、年齢や病態、身体活動量などによって異なるため、個別化が必要となります。
そこで、日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2019」では、総エネルギー摂取量を決定する際の目標BMIと身体活動量に応じた係数をより柔軟に設定できるようにして、総エネルギー摂取量の個別化を図っています。
糖尿病におけるエネルギー摂取量制限の有用性に関して、エネルギー摂取制限を含む生活習慣への介入による減量が血糖コントロールに与える影響を検討した海外のメタ・アナリシスでは、過体重(BMI25以上30kg/㎡未満)または肥満(BMI30kg/㎡以上)を伴う2型糖尿病においては、5%未満の減量では有意な血糖コントロールの改善が得られず、5%以上の減量により有意な改善がもたらされると報告されています。
さらに、過体重を伴う2型糖尿病を対象とした介入研究では、エネルギー摂取量制限を含む生活習慣への介入がHbA1c値の有意な低下をもたらして、インスリン使用中の肥満を伴う2型糖尿病患者を対象とした介入研究では、エネルギー摂取量制限が有意な体重減少とインスリン使用量の低減効果を示したと報告されています。
一方、過体重・肥満を伴わない2型糖尿病や1型糖尿病の血糖コントロールに対するエネルギー摂取量制限の効果についてのエビデンスは限定的です。
このような結果を背景に、日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」においても、過体重・肥満を伴う2型糖尿病患者では、良好な血糖値の維持を目的としたエネルギー摂取量の制限が推奨されています。
ただし、減量の程度に関して、海外では5%以上の減量によって有意な血糖値の改善が報告されていますが、高度肥満の少ない日本人2型糖尿病患者に、この結果を当てはめることには留意が必要とされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






