肝機能の基礎知識8 アルコール性肝障害の食事のポイント

アルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症は、禁酒することで改善されます。肝臓は再生力が強い臓器であり、原因を取り除くことで再生します。

しかし、再びアルコールを飲み始めると肝障害を再発し、肝硬変へと進展する危険もあります。

節度ある適度な飲酒量の目安として、1日平均純アルコール約20g程度(日本酒1合程度)が掲げられています。

アルコールの適量の摂取とともに、食事も適量にすることが大切です。適量の食事のポイントは、おかずの品数を主菜1品、副菜2~3品とすることです。

魚や肉、卵、大豆は、たんぱく質を多く含み、肝臓の再生を助けます。ただし、魚や肉には脂質も多く含まれるため、摂りすぎはエネルギー過剰となります。

野菜、キノコ、海藻類などは、ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となります。アルコールの分解にはビタミン、ミネラルが必要であるため、副菜は充分に摂るようにします。

また、これらの食品は低エネルギーなので、おかずを増やしたいときには副菜を1品増やすようにします。ただし、油を使った料理はエネルギー量が高くなるので注意が必要です。

飲酒時には、ご飯(主食)を食べない人もいますが、アルコール飲料はご飯の代わりにはなりません。アルコール飲料はアルコールのエネルギーのみで栄養素がほとんど含まれていませんが、ご飯には炭水化物のほかにビタミンB₁、食物繊維などの栄養素が含まれています。アルコールの量を適量にして、ご飯も1杯程度は食べるようにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕