腎機能の基礎知識2 腎臓の検査

腎臓病は腎炎から始まります。腎炎には急性と慢性があり、急性腎炎は糸球体に炎症が起こって腎機能が低下するもので、小児期に起こりやすくなっています。

主な原因は細菌感染によるアレルギー性の疾患となっています。慢性腎炎は慢性的に糸球体に炎症が起こるもので、最も多い腎臓病は慢性腎炎です。

慢性腎臓病の患者は1330万人以上いると推計されます。また、治療が必要な患者は600万人を超え、腎臓病が悪化して透析療法を受けている患者は35万人を超えています。

腎臓病は、病気発生の予防とともに、病気の悪化を抑制することが重要となります。慢性腎臓病が進行すると、夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れます。

しかし、慢性腎臓病は、初期には自覚症状がないことが多いため、早期に発見して、発見された場合には早期に治療を開始することが必要になります。

慢性腎臓病があると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。また、慢性腎不全が進行して腎不全になると、老廃物が除去できなくなり、最終的には透析や移植が必要になります。

腎機能の状態を知るためには尿検査によって、蛋白尿と血尿が調べられます。健康な人の場合には、タンパク質は少量が糸球体で濾過された後に、尿細管ですべてが吸収されるため、尿中には出ることはありません。

しかし、糸球体の病気になると、糸球体で多量のタンパク質が濾過されるため、尿細管で再吸収しても拾いきれなくなり、尿の中に出るようになります。

蛋白尿は、健康な人でも発熱時や激しい運動をしたときなどにも出ることがあります。

血尿は、尿中に赤血球が漏れ出した状態をいいます。糸球体で出血が起こると、それによってタンパク質の濾過量が増えるため、血尿と蛋白尿が同時に見られるようになります。血尿のみの場合は、そのまま消えていくこともあります。

蛋白尿や血尿が出て、腎機能低下が疑われるときは、血液中の尿素窒素、クレアチニンの検査が実施されます。

尿素とクレアチニンは蛋白質の分解物で、本来は尿中に排泄されます。腎機能が低下すると、排泄が不十分となるため、血液中に増加します。そのため、尿素窒素、クレアチニンの数値により、腎機能低下の程度を推測することができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕