整腸薬・消化薬は、腸などに働きかけて、便の状態を正常にしたり、食べ物の栄養素の吸収を高める効果があります。
便は腸内に長くとどまっていると水分が吸収されすぎて、便が固くなって排出しにくくなります。整腸薬は、腸の機能に作用して便の水分状態を正常にするので、軽い便秘のときに向いています。
整腸薬には、生薬(ゲンノショウコなど)が主成分のものと、整腸生菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)が主成分のもの、または生薬と整腸生菌の両方を配合したものがあります。生薬には下剤として使われるものもあり、腸に比較的優しく、穏やかに便通を促進するのは整腸生菌のほうです。
消化薬は消化素薬ともいわれ、食べ物の消化と吸収を助ける効果があります。食べ物から摂取した糖質、脂質、たんぱく質は、体内から分泌される消化酵素の働きによって消化されますが、食べ過ぎなどで酵素の働きが低下した場合には、消化薬で酵素の働きを補います。また、脂肪を分解する作用がある胆汁酸の分泌を促す利胆薬も、消化薬に分類されています。
止瀉(ししゃ)薬は、腸管に作用して下痢を改善します。子供や高齢者が服用すると脱水症状を起こす可能性があるので、使用量を控えるか、スポーツドリンクなどによる水分補給も必要となります。
その反対に便秘を改善する薬を瀉下薬といい、一般的には下痢、便秘薬などと呼ばれています。瀉下薬は重い便秘の対策には向いていますが、刺激が強いので、あまり頻繁に服用すると、体が慣れてきて効きにくくなります。体にも悪影響を与えやすいので、便秘が慢性化しているなら、薬よりも食物繊維を増やすか、整腸薬などで対処するほうがよいでしょう。
下痢も便秘も、食生活の乱れやストレスが原因であることが少なくありません。薬を服用するのと同時に、これらの原因を取り除くことも重要となります。
胃腸薬を服用しても痛みが改善されない場合には、胃腸鎮痛鎮けい薬が用いられることもあります。胃腸鎮痛鎮けい薬は、胃粘膜の神経に直接作用して、痛みを軽減する薬です。局所麻酔のような効果があります。
どちらかというと、急に激しい痛みを生じた急性期に対応する薬で、胃腸鎮痛鎮けい薬を服用しても痛みが続くような場合には、専門医への相談が必要となります。また、妊娠中の女性や循環器疾患のある人は、服用を禁止されているので、特に注意が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕