自業苦・業苦楽16 門徒のコミュニティ

幼いときに親元を離れて過ごした母親の実家の寺院(浄土真宗)は、新潟県出雲崎町にあり、寺院の行事のときだけでなく、門徒(他宗では檀家)の家族が集まるコミュニティの役割もしていました。

これは他の寺院でも同じことなのでしょうが、それを強く感じたのは、親元に戻った後に、小学1年生の夏休みで寺院に行っていたときのことでした。

台風から変わった低気圧による集中豪雨で、町のあちこちで土砂崩れがあり、死者が14人に及ぶという記録的な被害がありました。

寺院は山の中腹にあり、崖崩れの危険があって、門徒の漁師の家に祖父母と避難をしました。

その夜に避難先の家の屋根が吹き飛んで、押し入れに隠れるようにして怖い思いで一夜を過ごしたことを今でも覚えています。

翌日、寺院に戻ると屋根は無事であったものの、本堂に土砂が流れ込み、本堂にあったものは土砂災害を逃れた別の部屋に運ばれて、寺院として機能できない状態でした。

そのようなことだったため、災害時の避難場所にはならなかったのですが、復興期には門徒の集まりの場になりました。

これが苦の後に楽があると感じた機会になりました。
〔小林正人〕