言い違い12 幕を打つ

「歴史に幕を打つ」という言葉が使われることがあって、ネット検索でも目にする機会があって、AI回答でも「幕を打つ」が例として出されるようになってきました。

その例として書かれているのは、「軍隊の陣営や遊山(山での遊び)で幕を張る」とか「幕を閉じる」といったことです。

幕を張るのは始まりで、幕を閉じるは終わりを意味しているので、両方の意味があるというのは理解しにくいと感じる人が多いようです。

始まりは「幕を切って落とす」が適切な表現で、歴史的な出来事であれば「歴史の幕を切って落とす」が、しっくりときます。

「歴史に幕を打つ」は、終了の意味で使われることが多いのですが、それなら「歴史に」続くのは「幕を下ろす」「幕を引く」「幕を閉じる」となるはずです。

幕を打つは「柝を打つ」と混同したのではないかとの説もあります。柝(たく)は歌舞伎で使われる拍子木(ひょうしぎ)を打ち鳴らす行為のことで、幕の開閉や進行の合図として鳴らされています。

幕(まく)と柝(たく)は、確かに混同して言い間違いしやすい音で、幕の開閉(始まりと終わり)で使われるということで、広まっていったとの説明もAI回答で見られるようになっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕