聞き慣れている言葉、見慣れている言葉であれば、間違った使い方(誤用)も見抜きやすいところがあるものの、あまり見聞きしていない言葉を使われて、それを“それなりの人”が使っていると見逃してしまうこともあります。
その例の一つとして今回は「二の舞を踏む」を見ていきます。
「二の舞」は、もともとは舞楽で使われていた言葉で、最初の舞に失敗した後に、その失敗を真似たかのように失敗を繰り返すことを指しています。
その失敗は自分の失敗だけでなくて、他人の失敗を見ていたのに同じ失敗をすることも意味しています。
このような意味合いから「二の舞を踏む」という表現に違和感を持たない人もいるのですが、これは誤用であって、「二の足を踏む」と混同されたと考えられています。
二の足を踏むは、一歩目は進んだものの、二歩目は戸惑って進まない状態を指す言葉です。物事を始める決意は固まっていても、実際に行動を起こすことに不安を感じて躊躇するという意味で使われています。
正しい使い方は「二の舞を演じる」です。このことは「二の舞」の意味がわかれば、演じるという表現とマッチすることは理解できるはずです。
過去に失敗をしても、それを反省することなく繰り返すこと、反省をしていても望むレベルに達していないので失敗を繰り返すということで、「二の舞を踏む」を使い続けていると、それだけでなく、他のことも失敗を繰り返す人ではないかと見られてしまうので、特に注意してほしい、ということを伝えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕