言い間違い39 金にまかす

ここに出てくる金は「かね」のことを指していて、「きん」ではありません。

金メダルを獲得した選手に対戦や役割を任せるというようなことはあるかもしれませんが、そういった意味ではなくて、お金に関する言葉の話です。

「金にまかす」という言葉を使う人がいますが、これは誤用であって、正しい使い方は「金に飽かす」であるというのは一般的に説明されていることです。

「金に飽かす」は、金銭を惜しまないでふんだんに使うことで、金を飽きるほど使うという意味合いがあります。「飽かす」は有り余っているものを十分に使うことなので、ある人がない人のために金を使うというプラスの雰囲気があります。

よいことには金に糸目をつけない、世の中に役立つことであったら上限を設けない、というボランティア的なところがありますが、これが“贅を尽くす”という意味であることを説明されると雰囲気が違ってきてしまいます。

「金に飽かす」には、このほかに「金の力に頼る」という意味合いで使われることもあって、これであったら、正当なことではないことを金銭の力で解決するという、本当によくないイメージにもなります。

金の力に頼るということなら、「金にまかす」でも意味としては合っているように感じるかもしれないところです。

「金に飽かす」はお金を使う行為そのものを指しているのに対して、「金の力に頼る」はお金で打開する行為を指していて、あまり使いたくない、できれば使われたくない言葉ということができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕