言い間違い44 こんがらがる

糸などがもつれて絡まること、もつれることは「こんがらがる」と表現されることが多いのですが、これは誤用です。正しい使い方は「こんがらかる」と説明されても、納得できないという人は少なくありません。

辞書的にも「こんがらかる」が正しいのは間違いないことなのに、濁点(゛)がついた「こんがらがる」のほうが納得しやすい、しっくりとくるという人が多いのは、混同して、まさに「こんがらがっている」人の多さを示しています。

「こんがらかる」には、先の説明(糸などがもつれて絡まること、もつれること)のほかに、物事がうまくまとまらずに混乱するという意味もあります。

言葉づかいに厳しいNHKの放送用語委員会は、放送用語のレポートを発行していますが、その中でも「こんがらかる/こんがらがる」の使い分けの調査結果を報告しています。

糸を例にあげて、「こんがらかる」と「こんがらがる」のどちらを使うか(言うか)を質問しています。

その結果、「こんがらがる」を使う人が圧倒的に多いことがわかりました。このことが判明してから、「こんがらかる/こんがらがる」は誤用の代表例のように扱われるようになりました。

「こんがらかる」を使う 10%
「こんがらがる」を使う 78%
両方とも使うが「こんからかる」が多い 5%
両方とも使うが「こんからがる」が多い 5%
両方とも使わない 2%

「こんがらかる」「こんがらがる」のほかに、「こんぐらかる」という使い方(言い方)をする人もいて、辞書の中には「こんがらかる」の説明として「こんぐらかる」をあげている例もあります。

このことが、「こんぐらかってしまう」要因の一つとなっていると考えられているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕