誰が偉いのかわからないのは私だけ?

就職をしないまま定年の年齢を超えたので、社会的常識というか“会社的常識”に疎いところがあります。しかし、社会経験が豊富な著名人の著書のゴーストライターを多数手がけてきたので、会社勤めをする以上のことを知ることができました。それでも弱点はいくつも感じていて、それを解消するためにゴーストライターとしてのインタビューでは知りたいことを加えて、それで勉強ができたところがあります。
ほとんどは解消されたと思っているのですが、150冊を書いてきて、一つだけ残っているのは肩書きによる上下関係です。肩書きについて書きたい意向を出版社に伝えたものの、上下関係で働いてきている人には書いてほしくなかったことのようです。
肩書きに疎いといっても部長、課長、係長、主任の順くらいは知っています。本部長が出てきたときも部長よりも上だということはわかっても、次長は部長と課長の間になっている会社と本部長と部長の間になっているところがあり、次長と副部長の上下はわからず、さらに副長という肩書きが出てきたときにはまったくわかなくなってしまいました。
課長の下の課長代理と課長補佐では代理のほうが上だということはわかっても、副課長、課長代行、部長席付課長、課長席付、課長心得と出てくると、“偉い順番に並べなさい”というクイズ問題並みです。課長とあったので偉いのかと思ったら、○○部課長とあって、課がない部下もいない課長もいました。
さらにリーダー、チームリーダー、マネージャー、プロデューサー、ディレクターが加わり、これにシニア、エクゼクティブ、チーフがついた長い肩書きになると、もう大混乱です。
アカウントエグゼクティブ、エバンジェリスト、ヴァイスプレジデントとなると、これだけでクイズ問題になりそうです。確かアメリカの副大統領はvice presidentでした。会社の中に大統領の次に偉い人がいるのか、と驚かされます。
名刺交換の場では偉い順番に挨拶をするのが原則なので、それで順位がわかったということもありました。ところが、途中で参加した人の名刺の肩書きの順位がわからずに、肩書き順にテーブルの上に名刺を並べるのではなくて、交換した順番にしたこともあります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)