2002年から始まった納豆の全国PRは、今でも全国納豆協同組合連合会と納豆PRセンターによって続けられています。その初めの全国PRを手掛けて、「メディア(テレビ、新聞、雑誌)で納豆が取り上げられない日はない」とまで言われて、納豆ブームとしても今も伝えられています。
納豆がブームにまでなったのは私たちのおかげと言われて、メディアにも持ち上げられましたが、納豆が大注目されて、売り上げが前年比で10%以上も増えたのは、もう一つの要因がありました。
それまで売り上げが減り続けていたのが、マーケティングとPR法を変えただけで、急にV字回復するようなことはありません。何がプラスに働いたのかというと、それは狂牛病でした。
狂牛病は1986年にイギリスで初めて発生が確認されて、日本で感染牛が初めて見つかったのは2001年のことでした。その翌年に納豆の業界をあげての全国PRが始まったのは、このタイミングを活かそうとしたからではありません。
たまたまタイミングが重なっただけですが、ある意味のチャンスと考えて、納豆の材料の大豆のたんぱく質の有効性を強調したこと、牛肉に特に多い飽和脂肪酸との違い(大豆には不飽和脂肪酸が多くて動脈硬化を低下させるというエビデンスがあった)を毎回、メディア向けのリリースに入れることはしました。
当時は海外から輸入される食品の安全性は狂牛病をきっかけにして、消費者が強く気にしていることでした。国産大豆を売り物にしている会社はあるものの、業界をあげての全国PRとなると輸入大豆と国産大豆の割合は知っていました。
納豆がブームになれば、国産大豆の割合が下がっていくのは仕方がないのですが、納豆に使われている大豆の味方をすると、全体の自給率(国内生産)は6〜7%であるのに対して、食品加工用の自給率は20〜25%となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






