負の歴史19 納豆のブランド定義

同じ食品であれば、名産地のものなら品質的に安心という感覚は多くの人にあって、業界をあげての全国PRで担当した納豆の中でも「水戸納豆」は、あまりに有名です。

水戸市は茨城県の県庁所在地で、全国で販売されている納豆の半分以上は茨城産です。

水戸納豆という商品名はない、というよりも、一般名称として認識されていることから、単独の商標登録は不可となっています。そこでサブのキャッチや説明文の一部として使われるのが普通です。

「全国で販売されている納豆の半分以上は茨城産」と書きましたが、水戸納豆をうたった商品は数多くあります。では、水戸納豆は水戸市内で製造されているかというと、そうとは限らないのが表示規制の困ったところです。

水戸納豆と名乗ることができるのは、一つは会社も工場も水戸市にあって、水戸市内で作られているものです。普通の感覚では、これしかないように感じるかもしれません。

ところが、会社も工場も水戸市ではなくて茨城県内にあって、水戸市には営業所があるだけでも水戸納豆を名乗ることができます。

営業所があるだけでよいのかというと、それだけではなくて、伝統的な水戸地域の納豆である小粒で粘りがあるものでなければなりません。

市町村の合併が進んで大きな市、有名な市に周辺地域が取り込まれていく傾向があり、たまたま水戸市にならなかっただけで、場合によっては水戸市になっていたかもしれないという周辺都市もあります。

この考え方を膨らませて、水戸市の周辺で製造される納豆も水戸納豆と呼ぶようにもなっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕