金言の真理1「敵は我に在り」1

大手出版社でゴーストライターを務めていたときに、多くの金言(きんげん)を知り、それを原稿の作成でも使ってきました。金言は、処世への戒めや教えとして手本とすべき言葉で、模範とすべき内容が含まれています。

そこが諺(ことわざ)とは違っているところで、金言を残した人が何気なく話したことが、本人の考えを超えて、不滅の真理を表すことにもなっています。

タイトルの「金言の真理」は、そんな意味合いもあってつけました。

本来なら、私の150冊のゴーストライター歴(大手出版社のみ)の初めの1冊の“経営の神様”について書くべきかもしれないのですが、あえて野村克也さんの金言から始めさせてもらいます。

野村克也さんはプロ野球選手として、また監督として数多くの名言を残していますが、お題の「敵は我に在り」を頻繁に使う前には「失敗と書いて成長と読む」という言葉をよく話されていました。

これは失敗を失敗のまま終わらせず、成功につなげるためのステップを考えることを意味しています。その通りのことを名選手、名監督として実践してきましたが、野村さんは何回か現役を離れて解説者になった期間があります。

そのときに、講演のテーマでも雑誌記事のタイトルでも、そして書籍の題名にも使っていたのが「敵は我に在り」でした。敵は外にいるのではなく、自分の中にいるという意味で、金言として残されるべき言葉でした。

この話は次回(金言の真理2)に続きます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕