「朝の果物は金、昼の果物は銀、夜の果物は銅」という言葉そのままであれば、夜になって食べる果物(フルーツ)は、あまり効果がないことになりそうですが、実際には食べる果物によっては夜から朝までの重要な出来事である睡眠に大きなプラス効果をもたらしてくれることになります。
睡眠に大きな影響を与えるのは脳内の神経伝達物質の一つのセロトニンです。セロトニンはストレスや緊張が高まったときに脳から分泌されて、心の安定や自律神経のバランスが整えられていきます。
こういった働きから“幸せホルモン”とも呼ばれています。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから体内で合成されます。トリプトファンは食品では牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、魚類、肉類、そして果物ではバナナに多く含まれています。
バナナには、トリプトファンがセロトニンに合成されるときに必要となるビタミンB群、ストレスを抑制する抗ストレスホルモンの生成に関わるビタミンCも含まれています。
日中のセロトニンが夜には睡眠ホルモンのメラトニンに変化することから、朝食でトリプトファンが含まれるバナナなどの食品を食べることで睡眠の質を高めるという効果に結びついていきます。
このほかに睡眠に役立つ果物としては、キウイフルーツ、パイナップル、さくらんぼ(チェリー)があげられます。
果物には糖分が多く含まれていることから、血糖値が上昇しすぎることを心配する人もいます。血糖というのは血液中の糖ということですが、その糖はブドウ糖だけです。果物に多く含まれているのは果糖であるので、甘い割には血糖値を急上昇させるようなことはないので、安心して食べることができます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕