金言の真理2「敵は我に在り」2

「敵は我にあり」は、一般に言われているのは、真の敵は外にいるのではなくて、自分自身の中にあるという意味で、困難や失敗の原因を他人のせいにするのではなく、自分の弱さや怠惰、準備不足など、内面に原因を求めるべきだという戒めの言葉です。

この戒めの言葉として使われるときには「敵は我にあり」と書かれるのが通常です。タイトルの「敵は我に在り」との違いは、“あり”と“在り”で、漢字になっているかどうかだけです。

あえて漢字を使っているのは、「敵は我に在り」を講演のテーマにあげている野村克也さんに関係したことを書いているからです。

名選手、名監督、そして名解説者としてあまりにも有名で、ID野球という画期的な出来事も野村さんがあってのことです。

今では当たり前のように野球中継で使われるようになっているストライクゾーンを9分割して、コースごとに球種を記録していくスタイルは野村スコープと呼ばれますが、その始まりは1984年にテレビ朝日の中継の解説に持ち込んだのは野村さんです。

書籍の『敵は我に在り』は1980年の現役引退時に上巻が発行され、1982年に下巻が発行されました。そして、野村スコープが始まった1984年には『敵は我に在り』の続編が「危機管理としての人材育成論」のサブタイトルで発行されました。

このサブタイトルが効いて、企業や団体の講演の依頼が急に増えました。

その中でよく言われていたのは「並の選手にとって敵は相手だが、一流選手にとっての敵は自分の中にある」ということでした。

また、人材育成について、「一流選手は勝ちパターンを持っているのに対して、超一流選手は勝ちパターンが多い」と話していました。超一流選手は、常に変化・進化していて、成長に対して壁がないということで、これが危機管理のできる人材だということでした。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕