タイアップで支払いがある“有料タイアップ”は、宣伝に見られないようにする手法で、さまざまなメディアでやられていることです。
前回(金言の真理29)は、全国で放送されるテレビ番組を活用した納豆業界をあげての全国PRは「腐ってもタイアップ」と呼ばれるレベルのもので、「腐ったタイアップ」とは違うということを書きました。
私が担当した納豆の全国PRは、納豆の有効性を正しく知ってもらって、継続的に食べてもらうことを目的としたもので、全国納豆協同組合連合会の依頼でした。納豆の安売り合戦で安いものが売れるという状況から脱して、よいものが正しく評価されて売れるようになってほしいという考えがありました。
そのため、テレビの全国放送の番組の中でも、あえて効能効果は強調する必要はないということで、ナットウキナーゼには血栓を溶かして動脈硬化を予防する作用があるといったことはサラッと表現してもらうだけで(結局は効能効果?)、よいものなのに食べにくい、それを解消する方法というテーマでの番組としてもらいました。
納豆ブームで業界全体の売り上げは前年比で10%も増えたものの、個々の会社によっては、それほどの利益にはならなかったということで“抜け駆け”を狙う会社が出てきました。
納豆業界でも名前が知られている会社(というかトップクラス)が依頼主になって、私たちが納豆ブームを確固とするために協力してもらったタイアップした番組で、納豆の健康効果として中性脂肪値が正常になったというデータを出した1時間番組が放送されました。
その裏付けデータとしたアメリカの大学教授のコメントが捏造だったということが後で判明して、会社が叱られて謝罪をしただけでなく、単独スポンサーが降ることを決めて、とうとう番組自体が打ち切りになりました。
これこそが「腐ってもタイアップ」が「腐ったタイアップ」になってしまった好例(悪例)でした。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






