ワンパターンは、どちらかといえばマイナスイメージがある言葉ですが、ワンパターンと言われながらも、それを貫くことで多くの人を惹きつける力が発揮された場合には「偉大なるワンパターン」と称賛の対象となっています。
その代表とされるのはテレビ時代劇の「水戸黄門」(TBS系列)で、それ以前のテレビ時代劇とは異なる大きな目的と工夫がされていました。
「水戸黄門」の第1部が始まったのは1969年のことで、2011年の第43部(2011年)まで、最終回スペシャルを含めて放送1227回を数えた超大作です。
「水戸黄門」の初回のタイトルの前には「ナショナル劇場」とつけられていました。ナショナル劇場は松下電器産業の一社提供の放送枠で、以前は現代劇が放送されていました、
ナショナル劇場が画期的であったのは、それまではテレビ局側のプロデューサーが中心となって制作していたところから、スポンサー側のプロデューサーが中心となったことです。
それ以前のテレビドラマにもスポンサー側のプロデューサーは存在してものの、テレビ局側のプロデューサーと協力して作成するのが通常の形でした。また、テレビ局側とスポンサー側の調整役として広告代理店側のプロデューサーが加わることもありました。
その広告代理店側のプロデューサーを務めていた大手広告代理店のテレビ担当が知り合いで、私の仲人も務めてもらったという関係もあって、途中からでしたが、テレビ時代劇の「水戸黄門」に関わることになりました。
そこで「偉大なるワンパターン」の真理(裏話)を知ることになるのですが、スポンサー側のプロデューサーであった松下電器産業の宣伝部の逸見稔さんは、1980年に宣伝事業部長を最後に松下電器産業から独立して、テレビ時代劇を中心に制作しています。
逸見さんの松下電器産業での初めの仕事は多くの人(年配者?)の耳に残っているCMソング「明るいナショナル」の担当です。
テレビ時代になって番組を見てくれる人が増えたのはよかったものの、現在劇では撮影すると、どうしても他社の電器製品が写ってしまうので、他社製品が映らない方法はないかと大手広告代理店のテレビ担当と話をして、その結果、導かれたのが電器製品がない時代のドラマという発想でした。
次回(金言の真理50)は「偉大なるワンパターン」の裏話の一部を書いていきます。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






