金言の真理53「偉大なるワンパターン」6

「偉大なるワンパターン」はテレビ業界で主に使われている言葉ですが、それと並んで「偉大なるマンネリ」という言葉も存在しています。

以前は、テレビの時代劇もアニメ番組も「偉大なるワンパターン」と共通の言葉が使われていた時期もあったのですが、今ではアニメ番組には「偉大なるマンネリ」が当てはめられることが多くなっています。

アニメ番組といっても、短期間で終了するものではなくて、長く放送され続けてきているものに対して使われていて、その代表的なものとして国民的アニメの「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「ドラえもん」があげられています。

毎回完全にワンパターンで展開されているのに、なぜか高視聴率を獲得して、国民的な支持を得られていることを指して、尊敬の念も込めて「偉大なるマンネリ」と呼ばれているのです。

「偉大なる」とつけられているのは、これは時代劇にも言えることですが、「なぜか」という理由がわからない、解明できないということでの敬称です。そこが「偉大なるワンパターン」と違っているところです。

完全にワンパターンで展開されていて、新鮮味がないのに引き込まれてしまうという特徴というか中毒性があります。

時代劇ドラマの場合には、時間の流れはあります。主人公の役者さん(例えば水戸黄門役)が交代すると少しはリセットされることはあるものの、そこは時代劇のよいところで、カツラがあるので、何歳の設定であっても演じることが可能です。

アニメの場合は、初期設定そのもので、「サザエさん」でも「ちびまる子ちゃん」でも「ドラえもん」でも、1年が経過するとリセットされて、登場人物の年齢も学年も変わらないまま(年齢設定が維持される)、新たなストーリーが始まります。

それでも年中行事の中で起こるエピソードは違っていて、同じ人が何度も経験を重ねていくというパラレルワールド(並行世界)のような状態になっています。

茶の間でテレビ番組を見ている家族の世代が違っても、誰もが同じアニメを同じ状態で見ているという“ご長寿アニメ”は、為になる言葉、反省すべき言葉は、どの世代にも通じるということで、共通言語としての“金言”を提供してくれる絶好の場となっています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕