看脚下を「足元を見る」と簡約すると、勘違いされることがあります。足元を見るというのは、「弱みを見つけてつけ込む」ことも意味していて、困っている人や他に選択肢がない人に不当な要求をすることを指しています。
追い込まれている状況の人に対して、足元を見ることは絶対にやってはいけないはずなのに、それを平気でやってしまう人もいます。例えば、今晩の泊まる宿がない人に、本来の料金よりも高い料金を吹っかけるようなことです。
部屋が空いていないということなら泊まることができないのは仕方がないものの、1部屋だけ空いていて、それを通常の(標準的な)料金よりも高く言って差額を儲けようという行為です。
本来なら売れ残ったものを安く提供して損をしない程度にしようということは普通にあることで、それと同じことをしてもよいだろうと思うのですが、逆のことをしてくる人がいます。
旅行業界では、別の意味で足元を見ることをすることがあって、旅館で深々と頭を下げて迎えるのは、お客の足元を見るために、つまり客の値踏みをする行為と言われます。お辞儀をして何を見ているのかというと、それは靴です。
いろいろと金をかけることがあったら、靴に金をかける順番は後回しになりやすいということで、よい靴を履いているのか、そうでないのかは頭を下げている短時間で瞬時に見抜こうということです。
旅行業界に限った話ではないのですが、そのようなことをしている人にこそ、「看脚下」の3文字を突きつけて、己の足元を見つめ直したらどうなのかと言いたくなります。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






