ゴーストライターとしてPHP研究所で書籍の原稿を書くことを仕事としていた1981年から1995年の間に、是非とも書いてみたいと思ったことは、あまり記憶にありません。
というのは、面白くない内容だったということではなくて、これは書いてみたい、著者に会って話を聞きたいと願ったのに、それが叶えられないことがあったことの反動だと自分では思っています。
その書籍の著者は、「お客様は神様です」の元祖ともいえる三波春夫さんでした。お忙しい方だったので、この書籍を企画した編集者から「ゴーストライターの出番」と聞いていたのですが、ご本人がすべての原稿を書かれました。
その書籍は『歌藝の天地』(1984年刊)で、私に回ってきたのは原稿を編集して、文字校正をするだけでした。それでも初めの読者になれることは喜びでした。
三波春夫さんは、酒もタバコもやらず、外での付き合いもできるだけ避けて、大事な時間はすべて勉強に充てていました。
初めの読者として読ませてもらい、三波春夫さんの歴史(人生の記録)を知り、自分との関わりの部分を強く印象に残させてもらいました。そして、「お客様は神様です」の真意と真理も理解することができました。
「歌うときには、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払い、まっさらな澄み切った心にならなければ完璧な芸を見せることはできないと思っている。だから、お客様を神様とみて歌を唄う。演者にとっては、お客様を歓ばせることは絶対条件。だから、お客様は絶対者、神様なのだ」
これは資料をもとにして書いたことのですが、初めは舞台で話していたところから、歌手デビューして4年目(芸能生活22年目)の1961年(昭和36年)に「お客様は神様です」と神様(お客様)に伝えています。
この真意が伝われば、「お客様は神様です」が間違われて使われていることが理解できるはずです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






