将軍が乗っている馬は、さぞかし立派であったのだろうということで、サラブレッドを思い浮かべる人が多いかと思うところです。ところが、サラブレッドは明治時代になって持ち込まれたもので、それまでは在来馬で、その多くは木曽馬などの小柄の馬種でした。
江戸時代の馬の体高(肩の高さ)は120cmほどで、高いものでも140cmでした。サラブレッドは160〜170cmなので、40〜50cmもの差があります。
サラブレッドに乗ってみると、その高さに戸惑います(実際に乗ってみたことがあります)。体高が120〜140cmというとポニーよりも小さなサイズです(ポニーの体高は147cm以下)。
体高が違うと、馬にまつわるシーンも随分と違ってきて、それだけでも時代劇の印象が大きく違ってきます。
しかし、当時の馬を時代劇ドラマ(テレビや映画)では用意できないので、サラブレッドで代用するしかありません。それでもドラマ出演者の身長を考慮して、できるだけ小型の馬(サラブレッド)を探すようにしています。
日本人の現代の男性の平均身長は約168cmで、江戸時代は約155cmです。現代の女性の平均身長は約154cmなので、江戸時代の男性の身長は想像がつきやすいことです。
身長の伸びの割合(1.08倍)を、江戸時代の馬の体高(120cm)に当てはめて単純計算すると130cmほどで、サラブレッドは大きすぎる存在です。
違っていることを、あれこれ言わずに現実に合わせることは、以前に紹介した米山正夫先生(大作曲家)のコラムの「軍隊の靴」のテーマでしたが、細かなことを言わずに時代考証などはせずに、楽しめればよいという考えで、“将軍の馬”、“将軍と馬”を見ていれば問題ないということになりそうです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






